おねしょとは違う?大人にも起こり得る夜尿症とは。

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「夜尿症」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

一見すると、「おねしょのことでは?」と思われるかもしれません。

ですが「おねしょ」とは子供がおむつ離れをする際誰しも起こり得るもの、というイメージはありませんか?

夜尿症とは、5~6歳を過ぎてもおねしょをしてしまう症状のことをいいます。また、大人になっても夜尿症は続く場合があり、その数は成人の約0.5%だといいます。

その症状から誰にも相談できないという方も多く、病院での治療を受けられないという話もあります。

とはいえ、夜尿症とは必ずしも病院にかからなければならない病気ではありません。
ここでは夜尿症について理解し、それぞれの最善策を探す手助けとなればと思います。

 

夜尿症とは?そのタイプと原因

冒頭で書かせていただいたとおり、夜尿症とは、5~6歳を過ぎてもおねしょをしてしまう症状のことを言います。

そんな夜尿症ですが、その多くは成長するにつれ自然治癒していくことが多いです。
ですが、大人になっても治らなかったり、治癒したあとも再発を繰り返したりと、原因や継続性等がいくつかあり複雑な症状群だと言われています。

では夜尿症にはどんなタイプがあり、その原因にはどういったものがあるのでしょうか。

 

 ・多尿型夜尿症・・・膀胱の大きさに対して尿量が多いために起こる夜尿症

このタイプの夜尿症では、夕方以降に水分を摂り過ぎることで、自然と多尿となることがひとつの原因となります。
それならば水分の摂り過ぎを抑えることである程度予防できますが、それでも症状が治まらない場合があります。

その場合疑われるのが抗利尿ホルモンである「パソプレッシン」です。パソプレッシンは、夜間に多く分泌されるホルモンで、尿の量を減らす働きをしています。
通常4、5歳くらいから分泌量が増えてきますが、何らかの理由でその分泌が抑制されると尿量を増やしてしまう原因となることもあります。

 

・膀胱型夜尿症・・・膀胱容量が小さいことによって起こる夜尿症

もともと膀胱が小さい、という場合もありますが、膀胱の大きさが平均的なのに緊張によりあまり膨らまないという場合もこのタイプの夜尿症に分類されます。

 

・未熟型夜尿症・・・排尿機能が未熟なため起こる夜尿症

膀胱や腎臓が未熟なため、夜尿症の症状が現れることがあります。

 

また、大人になって突然起こる夜尿症として、ストレスによる自律神経のバランスの崩れが原因で起こる夜尿症も重要視されています。

その他、以下の疾患が関係して夜尿症を引き起こすこともあり、「複雑な症候群」とも言われています。

・睡眠時無呼吸症候群(抗利尿ホルモンに影響を与える)
・夢遊病や神経の病気

以上に加え、経過として、幼少期から継続して夜尿症が続く「一次性」と呼ばれる夜尿症と、半年~数年の間治癒していたのに再発してしまう「二次性」と呼ばれる夜尿症があります。
特に二次性の夜尿症では、過度のストレスが原因であることが疑われます。

 

病院に行ったほうがいい?治療方法は?

成長するにつれ、自然治癒していくことの多い夜尿症ですが、治癒するまでの間のご家族のご苦労や、ご本人の心情は大変なものがあると思います。
また、夜尿症だと思い調べてみたら、実は糖尿病や慢性腎不全などの深刻な病気の症状のひとつであった、という場合もあります。

自然治癒を待たず病院へ行ってみる、というのもひとつの重要な選択肢といえます。

では病院ではどんな治療がされるのでしょうか。
多くの病院では以下の様な治療が行われます。

 ・生活指導
夕方以降(特に就寝2~3時間前から)は水分を摂り過ぎない
夜中に起きる(起こされる)ことを避ける
膀胱訓練として膀胱容量を増やす目的で尿意を我慢する
食事については、塩分・刺激物は避ける

・薬物療法
三環系抗うつ剤・・・アナフラニール、トリプタノール等
抗コリン剤・・・パップフォー、ポラキス等
抗利尿ホルモン剤・・・デスモプレシン等

薬物療法では症状を抑えることが主となり、夜尿症の根本的な解決となるわけではありません。
そのため、薬をやめてしまうと夜尿症が再発する、ということも多いようです。
その点生活指導の内容を実践するのは難しくはないものばかりですね。

ここで見てきた生活指導、薬物療法の他にも病院によってはいろいろな指導や、有効な薬物、その他行動療法を行っているところもあります。

一時的にでも夜尿症の症状を抑えたい、夜尿症を起こしにくい体を作っていきたいという方には、病院に行ってみる。という選択肢をおすすめします。

 

薬で治療する場合の効果、副作用は?

薬物療法としてあげた薬の一部では、多くの方が聞き慣れないであろう薬ばかりが登場しましたね。

聞き慣れない薬を飲むとき、誰もが気になるのが薬の効果、副作用だと思います。
薬物療法の治療を始めるにあたり、あらかじめ薬の効果・副作用も理解しておきましょう。

三環系抗うつ剤(アナフラニール、トリプタノール等)
効果:抗利尿ホルモンの分泌効果、膀胱括約筋の緊張効果等
副作用:食欲不振、悪心、嘔吐等

抗コリン剤(パップフォー、ポラキス等)
効果:膀胱容量を増やす効果等
副作用:口渇、眼が乾く、排尿困難等

抗利尿ホルモン剤(デスモプレシン等)
効果:尿を濃縮し尿量を減らす効果(抗利尿ホルモンと同じふるまいをする。)
副作用:頭痛、吐き気、けん怠感、寒気、水中毒(※)等

※重い副作用として、水を飲み過ぎると水中毒の危険性が高まります。酷くなると脳浮腫や意識障害といった症状が現れることも考えられますので、以下の様な症状が現れた場合にはすみやかに病院で診てもらうことが必要です。

・頭痛、吐き気、けん怠感、嘔吐、発汗等

自然治癒に比べて効果が現れるのが早い薬物療法、「一刻も早く現状から抜け出したい」という方は、副作用があることを理解したうえで病院に相談してみましょう。

 

副作用を気にせず飲める漢方薬

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「薬物療法の副作用が気になる」と、薬の服用に抵抗のある方も少なくないかもしれません。
副作用を気にせず治療できる「漢方薬」があるのはご存知でしょうか。
漢方では、ひとつひとつの原因によりその人にあった漢方を処方されます。

そのため、ここでは漢方薬の例をひとつずつあげることができませんが、漢方薬では時間をかけて根本的な原因を解決する手助けを行います。

ただし、ゆっくりと効いてくるものがほとんどですので、効果が現れるまでに何ヶ月もかかる、ということも珍しくないようです。
ここまで夜尿症について見てきましたが、年齢を重ねるにつれ、夜尿症の症状自体が本人の大きなストレスとなる場合もあります。
ご本人にあった解決方法を選んで、ご本人・ご家族とも納得できる結果が得られるといいですね。